20060601

プラド美術館展に行った後、シネマアートン下北沢で『アフリカの光』を再見。
良かったのは「皇妃マルガリータ」(マーソ)、「アモールと音楽にくつろぐヴィーナス」「サロメ」(ティツィアーノ)、「美徳と悪徳のあいだの若者」(ヴェロネーゼ)、「廃墟のある風景」(プッサン)。
「皇妃〜」の喪服、表情、背後の人物たち、左側のカーテンの不気味さ。死者の世界への控えの間で描かれたような。「アモール〜」の奇妙な三角関係、三人の合わない目線と窓の向こうのカップル、動物、噴水、オルガンの彫刻。「廃墟のある風景」の幽霊を指差す姿。

「アフリカの光」でも、「青春の蹉跌」「恋人たちは濡れた」と同様、主人公が振り返る仕草が何度も出現する。
共同体の物語として見れば、萩原健一高橋洋子の関係が一番重要なはずだが、その部分は骨抜きにされて、男同士の愛の物語に変わっているように思われる。原作を読んでみたい。