2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

雨中、血は渇いている(吉田喜重)をポレポレ東中野に観にいく。亡霊でしかありえない、怪物の佐田啓二に畏怖の念を覚える。これまで観た吉田喜重の男は皆魂の抜け殻、亡霊だったが、観た中ではこの映画がある意味、極めつけだと思った。 □ それから、エリ・…

エロス+虐殺/吉田喜重があるので、昨日のエリエリショック覚めやらぬままポレポレ東中野。と思ったが、元気が出なくて4時間弱はきついので家で「何がジェーンに起こったか」を見た。ビーチのシーンは本当に素晴らしい。 「ビリーザキッド 21歳の生涯」…

エリエリレマサバクタニ/青山真治 ユリイカの続編と思う。話と映像が素晴らしく、それだけに部分(ドラマの進行)に不満を感じる。 冒頭20分くらいは素晴らしくて泣きそうだった。しかし中盤の、ペンションで出会う所でテンション下がった。あそこはよく…

毛皮を着たヴィーナス/マゾッホ(河出文庫) 一人称が最大限の効果を発揮している。 □ 毛皮のヴィーナス/マッシモ・ダラマーノ 全くマゾヒズムではないひどい映画。原作への冒涜。主人公がハンサムな肉体美の男という所からしておかしい。主人公があわれな…

マゾッホという思想/平野嘉彦(青土社) ◇ 飛蚊症。ぶんぶん飛んでいる。数えられないが、20匹くらいは。 ◇ どうも元気が出なくて、そういうときはフェティッシュなものに逃げ込むものらしく、自分の場合はバイクやカメラや本や写真集に逃げる。古いイギ…

映画美学校でダグラス・サークについての特別講義 今日から毎週火曜、全4回。 今日は「翼に賭ける命」を見た。ウィリアムフォークナー原作は未読。字幕なしで、シネスコがスタンダードに切られている。せりふの多くが聞き取れなかったが、素晴らしく面白か…

ツィゴイネルワイゼン/鈴木清順 見るのは4回目くらい。中年男の藤田敏八が獣のような友人を引き金にして見る性的妄想と死のオブセッションの反映としての世界。藤田敏八の無表情がすごくいい。内面は映画として現れ、藤田敏八はその前で戸惑うのみ。内田百…

□ 雪がやまない。 studio one disco mix 聞きながら本読み。soul jazz records の studio one シリーズのなかでもかなり好き。あとspace shift / Steve Spacek。ミニマルでエレクトロニカでスペイシーなファンク。歌はへた。 □ 「皆川明の旅のかけら」「ミナ…

□ 「ふるえて眠れ」「ローラ殺人事件スペシャル版(インタビューと未公開シーンが付くらしい)」「リリス」「ツィゴイネルワイゼン」DVDを購入。 □ また写真を始めようと思う。ニコンがフィルムおおむね撤退、コニカミノルタもなくなるけど、モノクロ自分…

魂を漁る女/マゾッホ(中公文庫) □ 水底の女/島尾敏雄監修(北栄社) 水底の女をテーマに、島尾敏雄が編んだアンソロジー。 □ Libraries/Diane Arbus ユトレヒトで買った、ダイアン・アーバスの書棚をそのまま写真集にした本。本棚に、多くの写真が立て…

百物語/杉浦日向子 自分にとって綺譚とはこれらの話だ。 「鳥屋喜右衛門の話」「長持の中の話」「魂呼びの話」「蜘蛛の行者の話」「愛娘の霊の話」前半のフリと、後半のオチに直接の関連性がない。それでいて、フリとオチは両方あって成立している。 「亡者…

日々是怪談/工藤美代子(中公文庫)が面白い。 「里帰り」「じゃあ死んだら」特に「夢の出口」は傑作と思う。村上春樹の「東京奇譚集」はちっとも奇談ではないと思う。話がコントロールされすぎて奇談になっていない。奇的なものを統制しようとする作者の意…

玉割り人ゆき 西の廓夕月楼 ラピュタ阿佐ヶ谷。玉割り人というキャラクターが生かされなかった。主役のゆきがうまく映画に絡んでいない。田中陽造らしいディテールの面白さは各所に見られた。くろづかの歌はあまり生かされず。女の執念がゆきに伝わっていか…

キャット・ピープル/ジャック・ターナー 異類婚。恐怖の伝播。無駄のない抑制された語り。二重化され、現実、妄想どちらとも解釈できるところ。恐怖シーンがそのように演出処理されている。プールのシーン。一番面白いと思うのは、シモーヌシモンの恐怖が次…

東京フィスト/塚本晋也 別々の有限の肉体に閉じ込められた個々の人間。決定的な孤独。それを乗り越えていくこと。この映画の場合は痛みと傷によって。女が前の死んだ女と重なっていく所が雑だった。 拷問者の影(新しい太陽の書)/ジーン・ウルフ 読み始め…

悪い女/キム・ギドク 素晴らしく面白い。金魚、ボート、売春部屋、絵の使い方。前任者の金魚に水を入れてやることで役を引き継ぐ。金魚が彼女らの象徴になる。供犠としての娼婦。主人公が溺れている夢を見て、民宿の娘がその役を引き継ぐ。役割を引き継ぐ、…

輪廻/清水崇 スナッフ+ゾンビ。ドラマとしては話がすっきりしていなくてもたつくし、辻褄が合わないところが多い(なぜ二人は本当の旅館に行かなかったのか、等)。人物の奥行きもない。しかし矛盾や雑さが、幻想性に一役買っている面もある。見終わってし…

悪い男/キムギドク 予想を超え続ける展開。こちらのモラル・常識を超え続ける。マイノリティに肩入れし続けるありようは北野武のように、男の美学という形式に陥ることなく、厳しく、モラルを問う。 ディア・ウェンディ 西部劇への皮肉なオマージュ。スパイ…

チャーリーとチョコレート工場 またも父子和解の話。CGが話に馴染んでいる。ゆがんだ家、お互い分身のような祖父母たち。家の内部自体がゆがんだ鏡で映されたもののよう。しかし不気味な要素であるはずのそれらを、なつかしいもの、馴染み深いものとして見…

「グッバイレーニン」「煉獄エロイカ」 グッバイレーニン食い足りなかった。面白い話だが、主人公の試みはかなりグロテスクなものであり、当然家族知人に反対されるのを押して行動するのだから、もっとはちゃめちゃに、グロテスクにしてほしかった。カット割…

「パッチギ」「ハウルの動く城」 パッチギの川は魅力的だった。主人公が川を渡るところよかった。野原のデュエットもよかった。ハングル語と日本語で歌う主人公。それを見ている人々は映らない。 ハウルの師匠の魔法使いが主人公にとって他者になりきれてい…

893愚連隊、ラピュタ阿佐ヶ谷。

「バス男」「下妻物語」 バス男は馬鹿キャラクターのショートコント集。意外性はまるでなくてただ馬鹿馬鹿しくて面白い。英語がわからないのがつらい。 下妻物語は深田恭子の語りが効いている。彼女が語る、彼女から見た世界なので漫画的CGもいやな感じが…