映画美学校ダグラス・サークについての特別講義
今日から毎週火曜、全4回。
今日は「翼に賭ける命」を見た。ウィリアムフォークナー原作は未読。字幕なしで、シネスコがスタンダードに切られている。せりふの多くが聞き取れなかったが、素晴らしく面白かった。上映後の対談でも語られていたが、全ての場面で、大衆の姿が出てくるのが気になった。遊園地の人々、パレードする人々、隣の部屋ではパーティが行われ、勤務先では他の社員たちがにやにや見ている。その中で、主要な人々はみな孤立している。重要なシーンで、必ずそれらの人々が、主人公たちを野次馬として見ている。かつての英雄は、自分を英雄に仕立てた彼らに対して、まったく関心を示さない。もっともロマンチックなシーンで闖入する死神のお面の男、男が引っ込んだ後で泣き出すヒロイン、素晴らしい。

青山真治監督がポピュリズムとハワードヒューズの話をされたので、現在のライブドア騒ぎとこの数年の政治の問題について聞きたかったが、講義の趣旨と異なるので遠慮した。