2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「オトシモノ」(古澤健監督)を見た。 スローモーションの使い方、ビデオに映る影、遺失物保管室、トンネルなど、いい所もあったが全体には残念だった。中盤までの展開の早さはよかったが、中盤から失速し、取ってつけたような友情場面は退屈、大事な時に繰…

「恐怖奇形人間」(石井輝男監督)と「女獄門帳 引き裂かれた尼僧」(牧口雄二監督)を見た。 「恐怖奇形人間」は、あの最後のカットで映画館が笑いに包まれてしまう。幼い頃の子守唄の記憶をたどって、たどり着いた場所に若く美しい女がいる、それが醜い男…

「空中庭園」(豊田利晃監督)、耐えられず途中でやめる。全てが説明でしかない。

「私はゾンビと歩いた!」(ジャックターナー監督)。生きる死者と歩く夜の草原。浸食されていく理性。ゾンビであるためには、一度殺されていなければならない。母親は彼女がゾンビであると主張する、それは母親が彼女を殺したという告白なのか、その答えは…

渋谷シネマヴェーラで 「地獄」(神代辰巳監督)に打ちのめされる。 「怪談蚊喰鳥」(森一生監督)緩慢さが不穏さにつながってよかった。

新文芸座で「恋や恋なすな恋」(内田吐夢監督)を見た。 呪術の、いにしえの日本。農民の祭り。大川橋蔵の錯乱ぶり。狐の嫁が障子に、口にくわえた筆で書く恋の歌。

「インモラル」(神代辰巳監督)を見た。不気味な、彼岸の感覚。柳ユーレイの性愛への執着が幽霊たちを呼び出し、世界は賽の河原と化すのだろうか。性愛のユートピアの感覚は一瞬もなく、執着の煉獄の世界は薄明るい。車の座席のカバー、郵便配達、映ってい…

恵比寿で「夜の女たち」(溝口健二監督)を見た。奇妙な映画だった。娼婦ルックが似合わない田中絹代、裸足で塀を越える脱走シーンはなかなかよかった。 「霊魂と旅のフォークロア」(宮田登)、Daniel Schmid のコラージュ本「The invention of paradise」…

ナショナルフィルムセンターで「元禄美少年記」(伊藤大輔監督)、現世では結ばれない女の出る場面は夢と現実の境目が見えない幽玄の世界のようで、その他の場面では非情に身分の差が描かれる。身分差の問題は終盤に消えたようなのは残念だった。 中村賀津夫…

片頭痛で動けない。 受取人不明(キムギドク監督)、面白かった。

楽日(ツァイミンリャン監督)見に行くが、途中で席を立つ。物語、意味から離れようとする行為は虚しいように感じる。「河」が好きだったが、その後一作ごとに気持ちは離れていく。

渋谷で不知火検校(森一生監督)、家で大菩薩峠(三隅研次監督)見る。 不知火検校は勝新太郎の悪党ぶりが素晴らしいがやや緩慢に感じる。森一生監督の映画を見るといつも感じる緩慢さ、しゃちほこばった感じ。 大菩薩峠は内田吐夢監督版と比べながら見る。…

「捨てられる迄」(谷崎潤一郎) 幻想小説のような奇妙な傑作だった。後半はマゾヒストの夢のよう。

谷崎潤一郎「お才と巳乃介」読む。後半くどく感じたがオチがいい。巳乃介の顔の泥。 「妻二人」「刺青」(増村保造監督)。 「妻二人」は分身の物語。岡田茉莉子のキャラクターに涙。「刺青」の若尾文子の啖呵にくらくらする。両方とも早い展開が素晴らしい。

谷崎潤一郎「神と人との間」を読んだ。自分自身のスキャンダルをネタにしながら、自分自身も、妻も、友人=敵である佐藤春夫も、同様に戯画化していく力、観察していく力、人の哀れさとおかしさが同居する。 ユダ(瀬々敬久監督)見るが、やはり演出とカメラ…

目が覚めたら夕方4時だった。睡眠15時間。見たかった映画あったのだが仕方ない。 谷崎潤一郎「マゾヒズム小説集」。「饒太郎」は紙数の関係からか、後半飛ばし書きのようで残念。他、「奴隷の詩学」読む。 新宿で本屋3軒回って「シネマトグラフ覚書」買…

LOFT(黒沢清監督)、十兵衛暗殺剣(倉田準二監督)、血槍富士(内田吐夢監督)を見た。 LOFTには唖然とした。ドラマや感情がベースにありながら、それを拒否するというようで、多くのニューロティックなホラーを想起するのだが、それにとどまるのは嫌だとい…

おんな極悪帖(池広一夫監督) 面白かった。安田道代が小松方正を陥れる場面にぞくぞくした。田村正和が二人の武士を斬る殺陣、小山明子が闘わされる場面、よかった。岸田森の気違いぶり、死に様もよかった。 最後は崩れた。毒薬が最後に自分の首を絞める、…

グエムル(ボンジュノ監督) 役者の顔が皆いい。序盤展開が早くてよかったが中盤停滞した。少し長い。最後のシーン良かった。反米、反体制、反似非ヒューマニズムはいいが、戯画化によって権力の不気味さ、怖さは薄れた。 主人公が監禁されている場面が全体…

ぬるぬる燗燗(劇場版) 温泉こんにゃく芸者(中島貞夫) 大菩薩峠(内田吐夢)

死なば諸共(西山洋市) 素晴らしかった。独特のリズムとつながり方のカット割りが好きで、それは今回あまり見られず、ひとまず普通のつながりになっているようだった。しかしブニュエルの映画のように、一見普通に見えるようなつながりの、どの瞬間も魅力的…

怪猫トルコ風呂(山口和彦) 「明治大正昭和 猟奇女犯罪史」の中の1つ(東洋閣事件)とかなり似た話で、暗黒的な展開、暗いなりゆきの展開が面白かった。怪猫になって復活する所など面白かった。しかしその怪猫には苦笑せざるを得ない。 黒蜥蜴(深作欣二)…

キッスで殺せ(アルドリッチ) 三つ数えろどころではなくわけがわからない。ただよう退廃感、虚無感はすごい。主人公が迷宮をぐるぐる回る虚脱感を体感させられる。最後の屋敷が燃える映像は素晴らしい。煙が出てくるカット。 沖縄やくざ戦争(中島貞夫) ス…