2005-01-01から1年間の記事一覧

「ドッグヴィル」と「バレット・バレエ」と「ジョゼと虎と魚たち」 「ドッグヴィル」舞台でやるより本物の風景で見たい。舞台でやることのメリットがわからない。いつ本当の風景に変わるのかを唯一の楽しみにして見ていたのだが、結局変わらず。寓意がわかり…

「親切なクムジャさん」「たまもの」「サマリア」 「親切なクムジャさん」後半が説明的で、説教臭い所がつまらない。後半の私設裁判は犯人の恐怖に注意を向けて欲しかった。フリッツラング「M」のように。悪趣味なユーモアは面白い。子供の幽霊が煙草すって…

「生贄夫人」「実録阿部定」「マインド・ゲーム」「片目だけの恋」 「生贄夫人」わかりやすすぎる展開で、調教プレイそのものを自分が楽しめないので、退屈してしまう。関係が捻れて行く感じ、調教が喜びに変わっていく過程と葛藤がもっと見たかった。ラスト…

ラヴ・ストリームス 3回目くらいで、以前見たのは2年くらい前と思うが、記憶と全然違う。最初のカットだと思っていたカサヴェテスの引きつった笑顔のアップは存在していなかった。ミニーとモスコビッツと混ざっているのかもしれない。しかし他にも存在しな…

「マイボディガード」と「アンソニーのハッピー・モーテル」と「天国までの100マイル」。 「死の谷95’」は物足りない第一印象。弟と嫂の再会場面がもっと読みたかった。他の人間関係ももう少し突っ込んで欲しかった。エロスも足りない。最後の手紙はい…

「火星の女(夢野久作の少女地獄)」見た。 「赤い雪 勝又進作品集」素晴らしい。

「本番レズ 恥ずかしい体位」と「カナリア」見た。 「本番レズ」はシンプルなストーリーで一組のカップルの関係の変化が描かれる。1人が語る天使軍と悪魔軍の闘いという妄想が変化の軸になっている。天使を示す三つのほくろ。ラスト10分が美しい。展望台…

家でシェルタリング・スカイとマリアブラウンの結婚を見て、夜、新文芸座でライフイズミラクル。シェルタリングスカイやっぱり駄目だった。肝心な所が抜けててどうでもいい所ばかり見せられてる気持ちになる。 風景が観光映像。エモーションを伝えない。紋切…

(秘)色情めす市場のDVD買って見た。すごかった。まいった。

ダンサー・イン・ザ・ダーク見る。 現実に対する想像力の優位。しかし、それは現実を変えることはなく、むしろ足を引っ張る。それでも、人の心の中では想像力が勝っている、という映画だと思って、現実がそれとは離れた痛いものであったとしても、全く悲しい…

KIKA見た。 愛の欠如によってラモンが仮死状態になる。 女の接触、触れることがラモンを甦らせる。 「トーク・トゥ・ハー」の反転。シンデレラ。 絶望した男の死を女が救うKIKAにおいては皮肉がつきまとうが、「トーク・トゥ・ハー」においては悲劇…

新文芸座で(秘)女郎責め地獄 と(秘)女郎市場。 (秘)女郎責め地獄 ひたすら素晴らしかった。

会社に電話がかかってきて、「○子さんのご家族ですか」と聞かれる。 「○子さんと思われる遺体が見つかりまして」 姉は一緒に住んでいまして、今朝もいましたから、別人です、と答える。 家に帰ると、いつも通り姉が夕飯を作っている。 子供の頃から好きな南…

シネスイッチ銀座で青春残酷物語。 面白い話だが、説明せりふや無駄な描写、展開、脇キャラクターが魅力的でないためにだれてしまう。二人の落ちっぷりがいま一つ残酷に見えない。 冒頭15分くらいは素晴らしいのだが、その後、展開がよろよろしていく。キ…

狂人が世界を救う 新文芸座で素晴らしき放浪者見た。 部屋の散らかし方は犬そのもの。 結婚祝いのボートがひっくり返り、晴れ着で浮かぶブルドゥー。水死体のように。 北斎展は最終日に行って失敗。混みすぎなので美人画だけ見た。

「ションベンライダー」見て演出講義受ける。 「セーラー服と機関銃」「はなればなれに」「三年身篭る」一部分。 通し演技させること。役者を動かすこと。その動きが必然的に、心理を伴っているように見えること。リアルに見えること。監督と役者もつまると…

元気出ず、まとめ買いして金なくなった。フィルム・ノワール傑作選DVD中古、ディスクユニオンにあった。「冷血」の新訳。「ロリータ」新訳は今日はやめた。ゼーバルト「目眩まし」、楳図かずお「姿なき招待」の復刻版、山田宏一「何が映画を走らせるのか」、…

残菊物語/溝口健二監督。シネスイッチ銀座。 妻の臨終と芸道の昇華というラストは「王将」を思い出す。地方で一世一代の大舞台に出るところで、妻が神仏に祈る場面なども。しかしこのシーンの後、どうも話がもたつく気がする。はしょれるのではないかと思え…

フィルメックスで落ちる人。フレッド・ケレメン監督。 男が捨てられたラブレターを読む所。書き直された三通のラブレターがよかった。 しかし長い。男がふらふら歩くのをただ映しても心理は映らない。女の恋人に三度会い、自殺に追い込む所。三度目はいいが…

フィルメックスで雪崩。ジャック・フェデー監督 素晴らしかった。少年が水面をみて自殺を考える、死んだ母親が牛乳を桶から流した映像がフラッシュバックされる。少年にとって川に飛び込むことは母親の元に帰ることであることが、その映像で示される。少年は…

ビデオ課題。スタンダール「恋の発生」。土日で70〓80カットくらい撮影。一人あたり15〓20カット程度。約10分で1カット撮った計算。結構しんどかった。役者はもっとしんどかったと思う。役者さんよかったからもっとじっくりやりたかった。時間足…

パリところどころ 「サンドニ街」二人のキャラクターは面白いが、漫然としてめりはり、変化がなく、一度見せれば十分の、おじいさんの肖像写真で押し過ぎなのとおちがつまらない。アイデアが足りなかったか。 「北駅」断然良かった。完璧な短編映画と思う。…

居候している。 居候先はの姉の家。 割といいマンションに住んでいるが、姉は働いている様子もなく優雅に暮らしている。 そのマンションは姉が愛人から与えられたものである。 □ ほとんど記憶のない女/リディア・ディビス(白水社) 一応短編集なのだが、短…

深夜、路地を歩いていると、中年の痩せた女とすれ違う。すれ違いざまに目が合い、いやな感じがする。少し歩いた所で背後から低い声が聞こえ、振り向くと、さっきすれ違った場所に女が立ち止まり、こちらをじっと見ながら静かに笑っている。

自覚のないゾンビ。自分がすでに死んでいることに気づいていない。何のためにこの世へ甦ってきたのか。なぜここにとどまっているのか。それが明らかになったとき、もと来た場所へ、帰っていくだろう。 コルタサルの「正午の島」や「もう一つの空」、ボルヘス…

密かな殺意が現実の可能性となって目の前に与えられる。そのときぼんやりしていた殺意がはっきりとした形を取り、自分の中にあったものに気づく。その機会を受け入れたとき、男の中で何かが変わる。ある男の死の目撃者とするために、一人の男が選ばれた。呼…

花と蛇 田中陽造脚本 小沼勝監督 複数の三角形から成る映画。その三角形では常に一人が邪魔物であり、その三角形は維持不可能なものとして別の三角形に移行し続けるのだが、最後に至って、完成された三角形となる。 主人公が三角形を壊す所から映画が始まり…

ディラン・トマス全詩集(青土社) 四巻本のディラン・トマス全集(国文社)の詩編は相性が悪くて結局読めずにいた。これは読みやすい。 黒球/江代充(書肆山田) 古い日記を拾遺したらしきもので、日付が入っているのだが、ねじれた文章とあいまって、謎め…

2005-10-25

映画授業、編集コースの一回目。 「編集(出来上がり)のことまで想定に入れて、順撮りでもない撮影時に全てのカットを決められるのはヒッチコックのような天才だけであり、それを目指すよりも、各シーン内でこれだという撮り方をしていくほうがよい。ダブら…

台風太陽

チョン・ジェウン監督 「子猫をお願い」監督の新作。 全編どこを切り取ってもアメリカのスポーツブランドのコマーシャルになるような、目まぐるしいカットの連続は躍動感を伝えて、ナイキのCM作れるくらいのセンスがあるのだなあ、と思うが、見ていて疲れる…