フィルメックスで落ちる人。フレッド・ケレメン監督。
男が捨てられたラブレターを読む所。書き直された三通のラブレターがよかった。
しかし長い。男がふらふら歩くのをただ映しても心理は映らない。女の恋人に三度会い、自殺に追い込む所。三度目はいいが、それまでが、主人公の妄執や思い込みの強さが見えず、だらだらしている。
男が死んだ女に執着する。女が美しかったから。女の自殺を止めなかった罪悪感から。そして女の恋人につきまとう。しかし、なぜ主人公が執着するのか、ひとまずはわかるが、説得力がない。「めまい」のような死んだ女への恋情をもっと見たかった。

アール・ブリュット展。ハウスオブ資生堂。ダーガー、ヴェルフェリ、マッジ・ギル等アウトサイダーアート本には必ず出てくる作品勢ぞろい。濃かった。一日では無理。もう一回行く。住んでいる地域、歴史、文化、宗教が彼らを抑圧し、それが表現として顕在化している場合が多い。オブセッション。拳銃マニアロバノフの、自分の作品と写った写真の、笑顔がいい。