2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

今回の撮影は自主映画製作のモデルを見せてもらったと思う。時間的、金銭的、人的に条件があるなかで、制限のある中でどこを大切にしていくか、それは、映画のなにを大切にしていくか、ということだと思う。 役者とスタッフが泳げる映画の制作状況を整えるこ…

撮影終了。 映画自体でも、映画を作る過程でも、去年の失敗の原因をいちいち思い知らされる。 去年の撮影は、高感情表出家族状態になっていた。ネガティブなものが出てしまった。 信頼と責任の分担の関係を、自主製作の映画でどう作っていくか。 □ やはりシ…

撮影四日目。うどんが食べたい。

撮影三日目終了。この映画の現場が見られて幸運。 □ レクイエムとしての映画。生者の心の中にいる、死者の魂を鎮める過程。死者が何を望んでいるか知ることはできない。その応答のなさが死んだということで、生者は心の中の相手に対して行うしかない。それに…

撮影二日目終了。会社に病欠の連絡忘れて無断欠勤。撮影終わって思い出す。 気がきかず、演出をみているうちに仕事を忘れている。しかし申し訳ないけど楽しい。 去年は、画面、構図のこと、それらしく見えることにばかり気を取られていた。カメラのことばか…

撮影初日終了。 監督の近くで演出をみられるのは本当に面白く、勉強になる。一番役に立つ授業と思う。しかし板前の修行のようなもので、ただ見ているだけでは役立たずだし、働いているだけでは見られない。働きながら見なければいけない。難しい。 □ 明日か…

備忘。神奈川県立近代美術館葉山でパウラ・モーダーゾーン=ベッカー展。3月末まで。 □ オールスタッフミーティング。水曜日から撮影。天気心配。 □ 「死者のひとりひとりがささやかな財産、つまりその記憶を遺し、それを大切にするよう求めている。・・・…

森山大道「写真よさようなら」が3月に再発。今日知った。 自分にとっては、すべてのアート写真集の背後にたたずんでいるブラックホールのような写真集。写真の美術としての価値を吸い取ってしまう。極北であると同時に、既成の価値を壊す。 所持しているも…

葬儀の際に、死者の最後の顔を携帯電話で撮影する人が増えていて、葬儀業者の人が、いかがなものかと嘆いているという記事があった。不敬ということらしい。 一般的に携帯で撮影する姿が軽薄に見えるのは確かだ。しかしそのことだけなのか。きちんとしたカメ…

今週来週は学校の撮影で映画見に行けない。来週末のオリヴェイラのオールナイト、渋谷でのマキノ雅弘など見たい映画はたくさんあるけど。 3月の新文芸座のオールナイトが楽しみ。 ◇3/11 真夜中のエロス(1)“ポルノと呼ばれた映画たち” (秘)色情めす市場…

朝日新聞の広告は本当に気持ち悪い。そこまで白痴化しているとは知らなかった。広告で自らそれを告白するとは。ああいうコピーが通ってしまう新聞とはなんなのか。 □ あらゆる物語の表現は、共同体に対する態度を表明せざるを得ない。それから逃れることはで…

スライストーンが fresh で突き詰めたファンクを現代で推し進めたのが JAY DEE や QTip や D'angero や missy elliot だと思っている。その点でスライのカバーアルバムの多くの曲はただのナツメロ大会か、むしろ後退しているように思われる。それでもやっぱ…

R.I.P. 所用済ませ、JAY DEE (J DILLA) の新譜を買いに行ったら、亡くなったと出ていた。最も好きな音を造る人の1人だった。新譜はソウルのサンプリングを使った短いインスト集。 SLY & THE FAMILY STONE のカバー集が出ていた。D'angero と Chuck D が一緒…

エロス+虐殺(吉田喜重)をポレポレ座で観た。 ロングバージョンはDVD上映なので短い方で。ニュープリント。 どうも乗れない所が多かった。形式と内容が乖離している気がした。ストーリー自体が深いアイロニーや分裂、不条理を含んでいる「戒厳令」や「…

映画と物語の間に距離が生むこと。ある悲劇を語りつつ、その悲劇の主人公に全面的な感情移入を許さないこと。その距離、見る人が、登場人物の運命と、社会/歴史の関わりに対し省察するよう促す距離を、生み出すこと。 □ スピルバーグは恐怖がすべてを支配す…

神保町三省堂にジーン・ウルフ「デス博士の島その他の物語」が出てました。 □ 「血は渇いている」や「秋津温泉」では男は虚ろな器のようなもので、各々の時代の社会、世間をそのまま反映する装置のような存在になっている。 「嵐を呼ぶ十八人」では、主人公…

□ 今日はポレポレ東中野で「戒厳令」(吉田喜重)を観た。 一度観ただけではちょっと感想を書けない。難しかった。 これまで観たものと同じ、権力や関係、他者からの視線、つまり複数の人間たちの集団の間に生まれて来るものがあって、その中心にある空虚な…

□ 「スペシャリストの帽子」が最高だったケリー・リンクの短編がSFマガジンに掲載されていた。 エスクワイヤの本の特集。リムアートという本屋を知らなかったが、そのインターネット上で見られる本はどれも美しい。欲しー本は高い。 □ 人と会う元気が出な…

□ 何も共有していない者たちの共同体/アルフォンソ・リンギス(洛北出版)買う。 ジーンウルフ「デス博士の島その他の物語」は2・10発売予定とのこと。 □ 低気圧偏頭痛。 こんな日は家で寝転がって本を読んでいたい。 Ipod の juana molina と adriana m…

□ミュンヘン(3) 主人公の妻が主人公に、あなたの父親はイスラエルだ、と言う。 それにのっとれば、父親が顔を見せないのは当然で、主人公は父親=国家の名誉、威信のために手を汚すことになる。母親はそれを知り、支持し、かつ、それについて聞かない。結…

ミュンヘン(2) □ 主人公の父親が最後まで姿を見せないのが気になる。今は病気だという元英雄の父親。息子が英雄になった時、病室だか父の家だかで二人が出会うシーンがないのはなぜだろう。その代わりというのか、母親が恐ろしい。冒頭のシーンでも最高権…

ミュンヘン(スピルバーグ)を観た。 70年代のアクション映画を思い出させるざらついた、褪せた映像は銀落としという技法を使っているそうだ。窓ガラスを使う等の演出も70年代を思い出させる。映画の舞台が70年代であることが、ただのスタイルではない…

それが絶望から身を守る智恵、技法であるかのように、いたる所で回転運動が行われる。地球の自転を模倣する。人物はとにかくあらゆるものを回転させる。ラジオのチューナーが、妙な楽器が、傘が、自転車の車輪が、ビール瓶が、鍋のスープが回る。宮崎あおい…

エリ・エリ・レマ・サバクタニのことを相変わらず考えている。 かつて小さな共同体がある期間、存在したらしい。何らかの理由で、その共同体は自壊した。はっきりとした理由は示されず、しかしその共同体のメンバー間に漂っていた不穏さだけははっきりと提示…

エリ・エリ・レマ・サバクタニの浅野忠信はシャーマンであり、インディアンの賢者のようだ。最後のカットのたたずまい。 アカルイミライの藤竜也と同様に、現在の、倫理的なありよう、生き様について示している。 □ 杉戸洋の作品集を本屋で見るが、いまいち…