撮影三日目終了。この映画の現場が見られて幸運。

レクイエムとしての映画。生者の心の中にいる、死者の魂を鎮める過程。死者が何を望んでいるか知ることはできない。その応答のなさが死んだということで、生者は心の中の相手に対して行うしかない。それによって、大切なものの欠けた世界で生きることに慣れていく。

境界線を引き直すこと。
死者を送る準備ができるまでの時間が、人それぞれにあること。

心のなかにいる他者の、顕現としての幽霊。その場合、幽霊になるのは死者とは限らない。
ヘンリージェイムズの短編には、生きている人の幽霊がよく出てくる。「友達の友達」など。