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渋谷で不知火検校（森一生監督）、家で大菩薩峠（三隅研次監督）見る。
不知火検校は勝新太郎の悪党ぶりが素晴らしいがやや緩慢に感じる。森一生監督の映画を見るといつも感じる緩慢さ、しゃちほこばった感じ。
大菩薩峠は内田吐夢監督版と比べながら見る。同じ話でも印象はだいぶ違う。三隅研次版のほうが無駄がない上にドラマの綾、人物に奥行きが出ている分、悪夢めいた感じは減っている。内田吐夢版で、一対一で対決する際、必ず机竜之介にゆっくりトラックアップしていくのが、禍々しい感じを出していたのが、三隅研次のほうは引いていく。これは寄って行くほうがいいと思う。
闇討ちを返り討ちにしてお浜と悪縁が生まれる場面は、お浜の扱いにかなり違いがある。三隅研次の、物陰から市川雷蔵の鬼神ぶりを見て中村玉緒が浮かべる喜悦の表情がエロティックですごくいい。
三隅研次の水車小屋の内部が素晴らしい。