マゾッホという思想/平野嘉彦(青土社

飛蚊症。ぶんぶん飛んでいる。数えられないが、20匹くらいは。

どうも元気が出なくて、そういうときはフェティッシュなものに逃げ込むものらしく、自分の場合はバイクやカメラや本や写真集に逃げる。古いイギリスのバイクや日本のカメラの写真をぼおっと見続ける。BSA、ベロセット、オリンパスペン、SX−70。新しいバイクやカメラでは駄目。
サラ・ムーンの赤頭巾の写真集や小村雪岱の画集をだらだら見る。宮崎あおいのCMをダウンロードして会社でこっそり見る。

コルタサルの「石蹴り遊び」のパリをモチーフにした写真集があると今頃知り、注文する。
フォークナーのヨクナバトファをモチーフにした写真集は持っているが、あまりよくない。
それから景気を出そうと、めったなことでは行けない鮨屋に、行ってみる。しかし味が立派すぎて、かえって疲れる。身の丈に合ってない。元気のないときに立派なものは駄目らしい。