毛皮を着たヴィーナス/マゾッホ河出文庫
一人称が最大限の効果を発揮している。

毛皮のヴィーナス/マッシモ・ダラマーノ
全くマゾヒズムではないひどい映画。原作への冒涜。主人公がハンサムな肉体美の男という所からしておかしい。主人公があわれな感じのまったくない美しいナルシスでは、マゾヒズムとは言えない。この二人はただ、互いの自己満足の中で遊んでいるだけだ。痛みがない。全てが形式的で、主人公のマゾヒズムが、エモーションがまったく見えて来ない。月光の囁き塩田明彦)のほうがはるかに素晴らしい。