「グッバイレーニン」「煉獄エロイカ
グッバイレーニン食い足りなかった。面白い話だが、主人公の試みはかなりグロテスクなものであり、当然家族知人に反対されるのを押して行動するのだから、もっとはちゃめちゃに、グロテスクにしてほしかった。カット割りが平凡なのも残念。タクシーに乗ったら都合良く宇宙飛行士というのはよかった。
煉獄エロイカ、集中力足りず、それだけかどうかわからないけど全体の話にはついていけなかった。しかし細部の物語は一つ一つ面白い。今月末の吉田喜重レトロスペクティブで見直そう。
「砂男/不気味なもの」ホフマン/フロイト河出文庫
不気味さとはアンビバレンツ、両義性、決定不能性にある。冒頭の手紙が間違って婚約者に届く。しかしそれは本当に間違いだったのか。間違って私の所に来たと彼女は言うが、本当にあて先は間違っていたのか。最初の手紙から物語は二重化されて、真実はわからなくされている。