悪い男/キムギドク
予想を超え続ける展開。こちらのモラル・常識を超え続ける。マイノリティに肩入れし続けるありようは北野武のように、男の美学という形式に陥ることなく、厳しく、モラルを問う。 
ディア・ウェンディ
西部劇への皮肉なオマージュ。スパイクスギャング(フライシャー)のようにすらなりえない。イニシエーションは死によってしか成し遂げられない。誰も生き残らない。ナレーションはあまりよくないが、後半の破綻した転調以降、苦笑と共に呆然と成り行きを見守るしかなくなる。死に様は見事。