バス男」「下妻物語
バス男は馬鹿キャラクターのショートコント集。意外性はまるでなくてただ馬鹿馬鹿しくて面白い。英語がわからないのがつらい。
下妻物語深田恭子の語りが効いている。彼女が語る、彼女から見た世界なので漫画的CGもいやな感じがしない。そのぶん、彼女が語り手から行為者に変わってくる後半になって面白さが失速し、CGが不愉快になってくる。彼女が現実と接するとともに漫画CG表現も減らしていけばよかった。
「赤い竪琴」津原泰水。純愛で書いて下さいと言われて書いた感じがしてやはり短編のほうが好きと思い、構成に緩みがあってやや散漫な感じがして、しかしそれが曖昧さ、謎めいた感じを誘い、読み終わるとまた冒頭に戻りたくなる。エイクマンのような曖昧な幻想譚の魅力があるが、もう少しテーマをはっきり見せて欲しかった。読みが足りないだけかもしれないけど。もう一度読もう。