雨中、血は渇いている(吉田喜重)をポレポレ東中野に観にいく。亡霊でしかありえない、怪物の佐田啓二に畏怖の念を覚える。これまで観た吉田喜重の男は皆魂の抜け殻、亡霊だったが、観た中ではこの映画がある意味、極めつけだと思った。

それから、エリ・エリ・レマ・サバクタニをもう一度観にいく。
今度は音がしっかり聞けるよう、真ん中の座席を確保。一度目に観た時よりもずっとよく、圧倒された。欠点と思われた箇所はやはり納得いかないが、それらはほとんど気にならず、ひたすら美しさと人のたたずまいと音を受け止める体験。ここ数年のうちで、現代の映画では最も揺さぶられた作品の一つになった。あの音と映像は映画館で体験しなければいけないと強く思う。できれば真ん中の席で。
ライター。光の反映。回ること。視覚と聴覚の対立。光と病。