日本怪奇小説傑作集3、ようやく読み終わり、とても良かった。
特に良かったのは、影人/中井英夫、幽霊/吉田健一、海贄考/赤江瀑、ぼろんじ/澁澤龍彦、大好きな姉/高橋克彦中井英夫全集2を買う。
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次郎長三国志 第三部、第四部(東宝
第三部。石松がお仲のさいころですってんてんになるシーンのモンタージュ良かった。石松が負けを重ねつつ、久慈あさみのかっこよさに惚れていくのもわかる。久慈あさみ森繁久彌に釘付け。二人のデュエットもよかった。湯船の森繁久彌、飛び込んだり泳いだり。
第四部。多くの人物が入り乱れる話が、収まる所に収まっていく。ころころ話が転がるのが楽しい。
しかし、東映版が、石松と三五郎の斬り合いに向けてドラマが高まり、他に行き場のない悲劇になっていくのに比べ、ドラマ性は低い。ほとんど同じ話なのに、微妙なタイミングの違いによってドラマとしての大きな差が生まれている。東宝版は悲劇、運命ではなく、石松がどじでせっかちなだけに見えてしまう。
加東大介の豚松よかった。やくざに憧れているのが伝わってくる。そして芸達者。砂浜でサイコロふるのも、魚さばくのも、相撲するのも、いちいち絵になる。
森繁久彌加東大介久慈あさみの芸で腹一杯。
次郎長一家はみこし担ぐチャンスを虎視眈々と狙っているらしい。隙あらば、かつげるものが見つかれば、誰かがわっしょいわっしょい言いはじめ、それでみこしが始まる。陰惨になるシーン、深刻なシーンもわっしょいでみこしと一緒に流される。