女番長ゲリラ(鈴木則文)、ラピュタ阿佐ヶ谷
個人と共同体の境界、個人と個人の接点を探り続ける女達。女番長は、共同体を脱した者たちを共同体として組織する、自己矛盾を含んだ役割を課されている。
杉本美樹の魅力爆発、唇に釘付け。池玲子の、スケバンの共同体を脱して個人に帰った姉貴ぶり。
杉本美樹と成瀬正孝の、恋と個人的倫理の葛藤から来る意地の張り合い、強姦してやると杉本美樹が言って迫るところ、そこから逆転する倒錯的なエロティズムや、女断ちした成瀬がトレーニングしている所にバイクで乗り付けた杉本美樹が、映ったときはすでに上半身脱いでいて成瀬を挑発する姿、そこで立ち位置が崖の上下になっている。劇場は笑いに包まれ、自分も笑うけど、笑いを超えたものを感じて、感動する。
前作までに比べ、マゾヒズムが増しているのは杉本美樹が主演になっているからか。しかし前作までと異なり、やられっぱなしではない。
アクションを見せる場面が増え、物語はやや停滞している。
命がけの復讐に出る杉本美樹がダイナマイトを組んでいるカットに泣いてしまう。しかし差し違え損なう山場はちょっと間延びした。
池玲子と兄の抜き差しならない戦いもよかった。池玲子にショットガンが似合う。
心のないセックスは屈辱として与えられても大したものではない、という女の意気地が映画全体にみなぎっている。
田中小実昌が見られてうれしい。

神代辰巳オリジナルシナリオ集が読みたくて、インターネットと神保町と阿佐ヶ谷を徘徊するが見つからなかった。
木乃伊の恋の原作も入っている円地文子と、豊田与志雄と、泉鏡花の短編集、種村季弘編集の日本怪談集などを買う。

三寒四温がきつすぎてついて行けない。