風邪が治らない。

恋文(神代辰巳)を見た。家族に対するまなざしが温かいのにやや驚くが、普通にとても面白かった。敵である女同士に生まれる友情。萩原健一の泣き笑いの笑顔は、意外な場面で見られるので目に焼きつく。割と普通に進み、唐突なびっくりするような演技は多くはなく、高橋恵子が屋上で車いすから発作的に何度も立ち上がって、萩原健一に押さえられるところなど、面白くなりそうだが、笑いまでには転化されてないようで残念だった。高橋恵子が死ぬ間際なのにやけに元気、というのが少し物足りなかった。
しかし、気を抜いているとたまにびっくりさせられる。
最後の場面、コマ廻しと萩原健一が階段を上がるカット、階段が異空間のように見えて素晴らしい。それから高橋恵子の最期の場面。びっくりした。
死と贈与。愛による贈与。しかしどうしても、死者のほうが圧倒的に分が悪く、残酷なようにも見える。