ツァイトフォトサロンで進藤万里子さんの写真展。ぐっと来た。たくさん見ているわけではないが、そういうのは、最近の写真ではほとんどないことで、唯一といってもいい。ただ前回と比べ、抽象と具象の間で、抽象のほうに少し進んでいて、ここがぎりぎりのように思った。モノクロで、ほとんど何が撮影されたかわからない。世界が白と黒のせめぎ合いに変容している。かろうじて、人の影、鳥のオブジェ、鉄柵などが確認できる。森山大道を推し進めている。

東海道四谷怪談中川信夫)、ラピュタ阿佐ヶ谷
終盤まで淡々と、優雅に進む。終盤の寺に至って舞台が、伊右衛門の無意識の時空に移るようなのがよかった。

昨年映画学校の卒業制作で制作した映画の上映が決まった。ユーロスペースで6月3〜9日のレイトショーのうちの1本。
脚本と演出を担当したが、苦い思いと反省ばかりで、映画自体は遠くにあるものという感覚しかない。しかし終わった後になって考えて、そこで語ろうとしていたらしいこと、また語り損ねてしまったらしいことに対する思いのほうは逆に大きくなっている。