ピンクサロン好色五人女田中登)、ラピュタ阿佐ヶ谷
死生観と厭世観と彼方への憧れがにじみ出た、サイケデリックロックのような傑作だった。
走り出すまでにもっと女たちが追い込まれててもいいんじゃないかとか、店長と手配師をはじめとする店の男たちがいまいち役割を果たしておらず、権力関係の有無が見えてこないとか、気になることはあるが、そんなことは関係ないかのように、彼岸へと突き進む。
冒頭の、ピンサロ営業を複数の横移動で描写して、後でバスがピンクサロンになる時、バス内が店と同じ構造になっていることがわかり、バスの細い通路を、店と同じようにカメラが前進するカット。
現世を越えた琵琶湖の風景。朝、2人が廃寺の戸を開けるカット。
口淫のゆっくりした前後の動きと背後からの光が、その行為を、崇高なもののように見せている。
踊り続ける山口美也子
最後は無理に走りながらということでなく、ちゃんと止まればよかった。

ちくま文庫からフーコーコレクションの1が出ていた。狂気について。