20060517

Gulag orkestar/beirut
久しぶりに新譜で、がんと来る。
ジプシー音楽が洗練されつつ、ヨーロッパ産のものが概ね音がクリアすぎるのに比べ、音のざらつきがしっかり残されているのは、ヒップホップの国アメリカだからなのか、しかしアメリカからこんな音楽が出て来て、それがロックのコーナーに並べられている。ジャケットも最高。
5月にニューヨークでライブある。行きたいなあ。

エロ将軍と21人の愛妾(鈴木則文)、渋谷シネマヴェーラ
終わった後、えらいものを見たような気がする。
権力に呑み込まれていく個人。女が値踏みされる大奥の廊下が、無秩序な空間に変わる画面の凄み。
池玲子杉本美樹が立場を超えていくところや、主人公が一線を超えてしまうところなど、もっと面白くなるようにも思うし、幼馴染である渡辺やよいが死ぬところは主人公がもっと直接絡まねばならないはずで、話の運びはぐだぐだなのだが、しかし既存価値の転倒を目論む鈴木則文の反骨心、権力にとらわれた主人公の破滅への道筋に感嘆する。