LOFT(黒沢清監督)、十兵衛暗殺剣(倉田準二監督)、血槍富士(内田吐夢監督)を見た。 LOFTには唖然とした。ドラマや感情がベースにありながら、それを拒否するというようで、多くのニューロティックなホラーを想起するのだが、それにとどまるのは嫌だとい…

おんな極悪帖(池広一夫監督) 面白かった。安田道代が小松方正を陥れる場面にぞくぞくした。田村正和が二人の武士を斬る殺陣、小山明子が闘わされる場面、よかった。岸田森の気違いぶり、死に様もよかった。 最後は崩れた。毒薬が最後に自分の首を絞める、…

グエムル(ボンジュノ監督) 役者の顔が皆いい。序盤展開が早くてよかったが中盤停滞した。少し長い。最後のシーン良かった。反米、反体制、反似非ヒューマニズムはいいが、戯画化によって権力の不気味さ、怖さは薄れた。 主人公が監禁されている場面が全体…

ぬるぬる燗燗(劇場版) 温泉こんにゃく芸者(中島貞夫) 大菩薩峠(内田吐夢)

死なば諸共(西山洋市) 素晴らしかった。独特のリズムとつながり方のカット割りが好きで、それは今回あまり見られず、ひとまず普通のつながりになっているようだった。しかしブニュエルの映画のように、一見普通に見えるようなつながりの、どの瞬間も魅力的…

怪猫トルコ風呂(山口和彦) 「明治大正昭和 猟奇女犯罪史」の中の1つ(東洋閣事件)とかなり似た話で、暗黒的な展開、暗いなりゆきの展開が面白かった。怪猫になって復活する所など面白かった。しかしその怪猫には苦笑せざるを得ない。 黒蜥蜴(深作欣二)…

キッスで殺せ(アルドリッチ) 三つ数えろどころではなくわけがわからない。ただよう退廃感、虚無感はすごい。主人公が迷宮をぐるぐる回る虚脱感を体感させられる。最後の屋敷が燃える映像は素晴らしい。煙が出てくるカット。 沖縄やくざ戦争(中島貞夫) ス…

「鏡花と怪異」(田中貴子)の「海異記」についての章が面白かった。

異常性愛記録ハレンチ(石井輝男) 最初の15分くらいは楽しかったが、その後は飽きてしまった。若杉英二の異常ぶりに最初度肝を抜かれるが、終始同じで変化がなく、想像を超えるようなことは見られない。都合が悪くなったときのむすっと上を向く表情はよか…

「懲役太郎 まむしの兄弟」(中島貞夫) 予想を超え続ける馬鹿ぶり。兄弟憧れの安藤昇が死んだときの二人の台詞に呆れる。 「唐獅子警察」(中島貞夫) 冒頭と最後の10分で傑作。とりわけ、故郷から脱出する執念と、その故郷に車ごと引き戻される、恐怖映…

World Beats 2006 渋さ知らズ 驚きがない。 ROVO とてもよかった。 KONONO no.1 あのスピーカー。すごかった。

「実録外伝 大阪電撃作戦」(中島貞夫)と「網走番外地 南国の決闘」(石井輝男) 「大阪電撃作戦」はすばらしかった。尺の関係からか話が結構はしょられてるのだが、それがよくて、松方ー渡瀬ー梅宮の関係は見逃さず描かれる、愁嘆場は切り詰められ、叙事的…

セクシー地帯(石井輝男) 覗き部屋やクロッキー部屋など、密室になると途端に面白くなる。女スリのキャラクターはありきたりといえばありきたりだが、魅力あった。クロッキー部屋で、主人公と裸の女スリが出くわす場面は、もっとエロティックな面白い場面に…

「肉体女優殺し」(石井輝男) ダンスシーン、浅草の風景、船の行商、最後の場面などは楽しかった。お話はありきたりで、人物は平板。

「欲望のあいまいな対象」(ブニュエル) 一つ一つの場面が面白くて仕方ない。あいまいさ、わからなさの見せ方。

石井輝男オールナイト モノである人間の肉体が損傷し、眼や皮膚や肉体がモノであることがあらわになることへの執着。 『残酷・異常・虐待物語−元禄女系−』 『明治・大正・昭和−猟奇女犯罪史−』 小池朝雄の取調室で得意げに語る表情。首を絞められる女と、絞…

日本怪談集上下(河出書房新社) 特によかったのは「ひこばえ」「百物語」「遊就館」「孤独なカラス」「蟹」「蒲団」「赤い鼻緒の下駄」「竈の中の顔」「仲間」「予言」「生き口を問う女」

「刺青一代」(鈴木清順監督) ひたすら面白い。活劇の、アクションの、面白さ。

「呪いの館 血を吸う眼」(山本迪夫監督) 怪奇現象と、人物の心理/人間関係の不安が同時進行する、その詰めが甘いと思う。妹の姉への嫉妬、姉の恋人のキャラクター、姉の神経質、がもう少し表現されていれば傑作だった。中盤、姉が吸血鬼に襲われ、恋人が…

「ゆれる」(西川美和監督) 面白い話で、しっかり演出されていて、こういう映画がもっと見たいと思う、にもかかわらず物足りないと感じるのは、兄弟の間の葛藤とつながりの描写が弱いからだと思う。序盤で兄弟の特別なつながりがうまく示されない。兄弟それ…

「かえるのうた」(いまおかしんじ監督) 面白い台詞、場面(フランスパンとか)、いくつかあった。普通見せるような場面を端折ってリズムと面白さを出すのはそれなりに効果はあるが、物足りない。 「ウォークザライン」(ジェームズマンゴールド監督) 何を…

ビリディアナ(ブニュエル監督) これから起こることを予感しているような冒頭。そっくりだった叔母の婚礼衣装を着てベッド上に眠る場面。修道衣を脱いだビリディアナの呆然とした様子からあいまいだが不穏さを予感させる最後の場面。 予言(鶴田法男監督) …

太陽(ソクーロフ監督) 城の外には強大な敵軍が迫り、領土は焦土と化しているらしい。 城の中では中世から抜け出したような皇帝が、ぜんまい人形のような老従者、鉄面皮の執事と共に幽閉されている。政治家、軍人との戦争についてのやりとりは現実に起きて…

「南総里見八犬伝」(歌舞伎座) 派手だが創意のない殺陣や舞いなどよりも、暗い宿命のドラマをもっと見せて欲しい、というのを歌舞伎に期待してはいけないのか。照明がフラットで明るすぎるのも気になった。時間を超えた、宿命と復讐の血みどろの物語が予告…

「東京から遠くはなれて」「しがらみ学園」「逃走前夜」(黒沢清アーリーデイズ) 「東京から遠くはなれて」が傑作と思ったが、黒沢清監督ではない。ナレーションでそういうことにしてしまうやり方、テニスの場面、終盤のテンポなどとても好き。 2日間、6…

「白い肌に狂う牙」「School Days」「School Sounds」(黒沢清アーリーデイズ) 「白い肌に狂う牙」のカット一つ一つが美しい。

「ナサリン」(ブニュエル監督) すごい。特に狭い範囲内で全てが起こる前半は理想の映画と思う。 ヒステリーのカット、アワーミュージックはこれだったのか、と思った。

「喜劇 男は愛嬌」(森崎東監督) 「闇を讃えて」(ボルヘス) 「黒沢清の映画術」

「わたしたちが孤児だったころ(カズオイシグロ)」 やや消化不良。主人公の自己イメージと他者から見られた主人公の裂け目が、あまり効果をあげていないような。脇の登場人物たちもいまいちうまく絡んでこない。

ネオンくらげ(ラピュタ阿佐ヶ谷)